デバイス選びは難しい
4月に入り、桜の開花と共に新しい学校や職場での生活がスタートして、もうすぐ1ヶ月が経ちます。
新しい環境で、やるべきことや必要なものが見えてきたこのタイミングをきっかけに、PCやMac、勉強や仕事に必要なデバイスを買おうか迷っている方は多いのではないでしょうか。
カタログスペックや各種レビューを眺めながら、あーでもない、こーでもないと迷うのは結構楽しかったりもしますが、けど時間もかかるし疲れますよね。中には、欲しいけどそんな暇ないよと嘆いている方もいるでしょう。
今回は、そんな数あるデバイスの中でもiPad選びについてお話ししたいと思います。
写真をやっている方にはマストな内容かとは思いますし、そうでない方も何かしらの参考になれば嬉しいです。
数年先はいくらに?リセールバリューは重要!
実はボクもこの1カ月、iPadの新規購入でめちゃめちゃ悩みまくっていました。
最初に、今現在のボクの環境をザッとお話ししておきますね。
【編集業務】
Mac Studio 32GB 512GB(初代)
hp U32 4K HDRディスプレイ
【撮影業務】
MacBook Air 8GB 256GB(M1)
【スマホ】
iPhone 13 Pro Max
【タブレット】
iPad Pro9.7と無印iPad(第8世代)
iPad Pro9.7に関しては、今や娘のYouTube閲覧専用マシーン化していますが、無印iPadは電子決済や写真納品時の確認用として愛用してきました。
最新の無印iPadは第10世代となりますので、第8世代ともなるとやや古めかしい感じも否めませんが、それでも先程記した程度の内容であれば、全然問題なく仕事をこなしてくれます。
そうなんです。
使ってる方は納得いただけると思いますが、iPadってめっちゃ優秀なんですよね。
1世代や2世代ぐらい前ならば、普通に観たり聴いたり作ったりの作業程度なら、全然現役でいけちゃいます。
動画や写真編集などのちょっと重い作業でも、時間はかかりますが出来ないなんてことはありません。
最新モデルに比べると、かなりお買い得な価格のものもありますよね。
ならば安くなった旧機種でも良いのでは?
でも、ちょっと待ってください!!
そこは少し考えなくてはなりません。
大半の方は新機種購入の際に、今まで使っていたものを下取りに出したり、買取店(無料査定はコチラ)
で買い取ってもらったり、メルカリなどのフリマアプリで処分すると思うんです。
見逃してはいけないのが、その際のリセールバリューです。
Apple商品の多くは、WindowsやAndroid端末に比べ価格が落ちにくいと言われています。
ボク自身も、使用しているiPhoneやMac、MacBookに関しては、最新機種を2~3年間隔で買い替えています。
一見、無駄なようにも思えますが、実はこの方法が一番効率よく新製品に買い換えることが出来ます。
反対に型落ちモデルは購入時には安く買うことが出来ますが、売却時にはその分安くなってしまうことを覚悟しなければなりません。それをするならばある程度長い間(5年程度)使い続ける。使い倒すのが一番良い方法だと思います。
残価設定プランで賢く最新モデルを!メリットやデメリットは?
購入方法として一般的なのは、Apple Storeや家電量販店での購入だと思います。
高価な製品だけに、やはりアフターケアーがしっかりしている正規販売店は安心できますよね。
但し、一括でまとまった金額を払うのは、特に新生活で他にも入り用がある場合には厳しかったりすることもあるのではないでしょうか。
皆さんもご存知のとおり、Apple Storeでは学生・学校関係者向けに特別価格が設定してあったり、無金利での分割払いが設定されていたりします。そういったものを上手に利用するのも手だと思います。
少し変わった購入方法としては、docomo、au、Softbankなどの通信キャリアが提案している残価設定型プランがあります。このプランを上手に利用すれば、出費を抑えたやり方で無理なく新機種を手に入れることが可能です。
そして販売されているのはCellularモデルです。
残価設定というのは、商品代金に対し36ヶ月や48ヶ月払いを設定し、その半分の月日が経過したタイミング(18ヶ月や24ヶ月目)での下取り金額を販売側が予め設定し、その下取り設定金額を購入代金から差し引いた分を分割で支払うという方法です。
先程もお話しした通り、iPadやiPhoneのような人気デバイスは価格が落ちにくい(特にCellularモデルは人気があります)ので、下取り設定金額も比較的高価に設定されています。つまり実際に支払う金額がより安く済むというメリットがあります。
デメリットとしては、2年間のリース契約(レンタル契約)をしているようなものなので、大切に扱わなければなりません。故障したり破損したりすることで、設定した下取り価格を下回ってしまうと、精算時に余計なお金を支払わなければならなくなります。
勿論、購入時にApple純正のAppleCareなどの保険にも加入できますので、心配な方はそれら保険に加入し万が一に備えるのも方法のひとつだと思います。
それでは実際にその残価設定プランでiPadを購入する場合は、どのような感じになるのか、auの場合で見てみましょう。
【機種】11インチ iPad Pro(第4世代) 128GB Cellularモデル
【機種代金】149,710円(税込)
24回払(auスマホトクするプログラムを適用)の場合
【毎月の支払い】3,650円(税込)☓23回
実際に支払った実質負担金は83,950円(税込)
残債は149,710円−83,950円=65,760円
分割支払金の最終回分65,760円を払わずにiPadを返却すれば契約は終わりとなります。
そのまま買取したい場合には、65,760円を支払えばiPadはあなたのものになります。
実際、2年後の相場としては間違いなく65,760円を上回ると考えられますので、一度精算した後に売却してしまうのも良いでしょうし、再度その時の最新モデルを同じ残価設定プログラムで入手するのも良いと思います。
iPad Pro12.9インチ(第6世代)を選んだ理由とは?
最初に買い方について話しましたが、次に、なぜボクが今回M2搭載のiPad Pro12.9インチ(第6世代)を選んだのかを具体的にお話ししていきます。
タイトルにもある通り、ボクは写真の仕事をしています。何となく想像できると思いますがiPadは写真の仕事に大活躍するデバイスで、実際カメラマン仲間の多くがiPadを愛用しています。
iPad Pro12.9を使ったボクの主な利用方法としては以下の三点です。
- テザー撮影に活用
- モバイル版Lightroomの利用
- ポートフォリオの代用
テザー撮影に活用
まずは1番目の『テザー撮影に活用する』からお話ししていきます。
テザー撮影というのは、一般的にカメラとMacやMacBookなどのデバイスと有線または無線で接続し、撮影したデータをデバイス側に転送しながら撮影を進めていく方法のことを言います。
テザー撮影のメリットとしては、
- データのバックアップが出来る
- 大きな画面で写真を確認できる
- クライアントやモデル、撮影に携わるスタッフと写真を共有できる
といったことが挙げられます。
実際、小さなカメラの液晶画面だけでは拡大しないと細部までは見えませんし、全体のイメージを見るにも若干役不足です。
テザー撮影することで、大きな画面で複数人での確認が可能となりますので、クライアントからの指示出しや、モデルさんやヘアメイクさん自身のチェックにも役立ちます。
しかし問題があります。
有線の場合は、たとえ自分が気をつけていても、誰かがコードに足を引っ掛けたり思わぬアクシデントに繋がることがあります。
また、スタジオ内ならばまだしも、屋外ロケなどであちこちに移動する場合には、このコードがとても煩わしいのです。
それに加えてMacBookです。アシスタントさんがいれば良いですが、カメラを持ったボクひとりでカメラを構えMacBookを持つのはちょっと無理ですよね笑
ならばもっと軽くて、直ぐに起動できてタッチ操作が可能なものならばどうでしょう?
iPad Pro12.9インチならば出来る!
iPadならばボクが使っている、こういった感じのショルダーストラップが付いたケースもありますので、やる気になればひとりでも全然できちゃいます。
おまけにトラックパッドではなくダイレクトに指でタッチ操作できるのは便利この上ないです。細部を確認する際の拡大だってピンチ操作だけですからね。
でもちょっと待って下さい。
iPadと有線接続ならばあまり状況は変わらない気がしますよね?
実は有線以上に快適な無線接続の方法があるのです!
ボクが使っているSONYのカメラには、メーカー純正のImage Edgeというテザー撮影ソフトが無料で配布されています。しかしお世辞にも転送速度が速いとは言えません。そして接続が不安定なことが有るんです。
じっくり時間をかけられる物撮りなどであれば問題有りませんが、テンポ良く撮りたいポートレートなどでは、やはりさくさくシャッターを切りたいところです。
そんな中で有償とはなりますが、安定した動作でさくさくデータ転送してくれるのが『ShutterSnitch』というアプリです。
アプリは買いきりではないサブスク型で毎年3,300円かかりますが、使い勝手の良さで十分に元は取れます。
これを導入したことで、iPad Pro12.9と愛機であるSONY ICLE-7RM4は完璧に同期し、めっちゃ快適にテザー撮影ができるようになりました。
そして12.9インチの大きな画面は単に大きいだけではなく、しっかり他のiPadと差別化されています。
ミニLEDバックライト構造のLiquid Retina XDR ディスプレイは、黒がしっかりと締まり、有機EL搭載のiPhone13 Pro Maxと比べてみても全く見劣りしない程に高画質です。
また、ProMotion テクノロジーは最大120Hz(一般的なLCDディスプレイの2倍)のリフレッシュレートなので、画面の動きがヌルヌルです。高リフレッシュレートはApple Pencilなどのペンデバイスを使う際の追従性面からも有利と言えます。
こういった部分からも、正確な色味を判断でき、かつ大きな画面で細部まで確認できるiPad Pro12.9は、映像や写真用途には最高のiPadだと言えるのではないでしょうか。
モバイル版Lightroomの利用
次に2番目に挙げた『モバイル版Lightroomの利用』ということについてです。
ボクは普段の撮影データはすべてMac StudioのLightroom Classicを使って編集管理しています。
ご存じの方も多いと思いますが、モバイル版のLightroomとデスクトップ版のLightroom Classicは、Adobeクラウド経由で同期が可能です。
つまり出先で撮影データをiPadに取り込みLightroomで作業すると、クラウドを通じてデスクトップでも同じ状況を再現してくれるということです。
しかしクラウドと同期を取るためにはモバイル通信が必要になります。
wifiの環境があれば問題ありませんが、基本外ならば自前でどうにかするしかありません。
iPhoneでテザー通信するのも良いですし、モバイルWi-Fiルーターを利用するのも手です。
Cellularモデルとpovo2.0
しかし利便性を考えると、iPad単体で通信出来たほうが当然使い勝手は良いと判断し、多少高くは(3万円弱)なりましたが、今回はCellularモデルを選びました。
Cellularモデルにしたのはもうひとつ大きな理由がありまして、それはここ数年で通信量がかなり安くなったということです。ボクが契約しているpovo2.0などは、自由にサービスをトッピングできるので無駄がありません。
一般的な1月10GBとかのプランだと使わない時は損になりますが、povoならば30日単位の他にも90日や180日単位などのプランも用意されています。なので使う月と使わない月があっても無駄なく通信を利用することが出来ます。
また、がっつりデータを送信しなくてはならない時には24時間使い放題などを利用したりと、かなり幅広い使い方が出来ます。povo2.0にはおともだち紹介プログラムというのがありまして、以下のコードを使うとデータ使い放題(24時間)が1回分無料で適用されますので、試したい方はぜひ使ってみてください。
LG1PN7FZ
実際、Cellularモデルを使い始めて良かったと思う瞬間が既に何度もありました。
例えばiPadを持って作業しているとき、CellularでなければiPhoneに持ち替えて調べものをしたり、あるいはテザリング作業をしなければなりませんでしたが、それが無いのは地味に嬉しいです。
嬉しいだけではなく時間短縮にも繋がります。
Lightroomの話に戻しますが、世のカメラマンさんの中には、現像作業までiPadのLightroomでやってしまう方もいらっしゃるでしょうし、出張先で急ぎ仕上げなくてはならない場合もあるでしょう。
実際、モバイル版のLightroomでも殆どの作業が出来てしまいます。
しかしボクの場合は、基本スタジオに戻ってからの作業が中心なので、やったとしても選別程度で事足りてしまいます。
具体的には、Lightroomに取り込んだ撮影したデータを確認しながらOKカットに⭐︎マークを付けていくだけです。
たったこれだけの事ですが、かなりの時短に繋がります。
これが可能になるのも、パッと直ぐに作業が開始できるiPadだからこそだと感じています。
こう書くと、別にハイスペックなiPadでなくても良い気もするかもしれませんが、仕事で使うアイテムとして考えた場合には、必要に迫られた時に「出来ません」ではなく、対応出来るということが仕事道具の価値だと思っているので、決して無駄ではないと言うのがボクの考え方です。
またそういった際にも、大きな画面でM2という最新CPUで作業できるのは、作業効率の面からも確かなメリットになルと思います。
このテザー撮影からLightroomでの選別、デスクトップでの仕上げまでの流れについては、また改めてお話ししたいと思います。
ポートフォリオの代用
最後に3番目の『ポートフォリオとしての活用』です。
実際、紙媒体のポートフォリオを持ち歩いてたこともありますし、やはりプリントされたものはディスプレイとは似て非なるものだとは思います。しかしポジのスライドを観ているかのような鮮やかな発色やP3に対応した広色域の色再現性はプリントには無いiPadのメリットです。
iPad Pro12.9で観る作品は本当に綺麗です。この理由だけでも、世の写真をされているすべての人に絶対買って欲しいとすら思えます笑
大袈裟に聞こえるかもしれませんが、実際心からそう感じました。
マジで良いです。
その場で数人の相手に同時にデータを渡すことが出来るのも魅力で、これは電子デバイスであるiPadならではだなと感じています。
またその場で、ペンデバイスを使って自由に書き込んだりできちゃうところも紙媒体ではありえないですし笑
iPad Pro12.9は、その大きさと重さから持ち出しに対してネガティブなコメントもネット上では目にしますが、そもそも写真や映像やってる人の多くは、素晴らしい作品を残すために2台以上のカメラに加え、何キロもあるレンズやら三脚やらをバッグに詰め込み撮り行くのですから、そういう人にとっては大した問題じゃないと言うのがボクの意見です笑
重いとかそんなのは情熱で十分カバーできるとボクは思います。
最後に、もう一点だけ推しポイントがあります。
iPad Proの11インチと12.9の第5世代と第6世代の大きな特徴として、USB端子がUSB3.1からThunderbolt3端子になりました。
このことで、iPad Proの可能性は更に広がったと思います。この点に関しては、改めて記事にしたいと思います。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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