iPadでFinal Cut Proを使いたい方、iPadではFinal Cut Proを使えないの?
という方に読んでいただきたい記事です。
結論から先に言うと、2023年5月23日(火)よりサブスク形式で販売されます。
【料金】 700円/月または7000円/年の2種類。
【対応デバイス】
OS16.4以降の
iPad Pro 12.9 (M1かM2チップ搭載 第5、第6世代)
iPad Pro 11 (M1かM2チップ搭載 第3、第4世代)
iPad Air (第5世代)
いよいよ発売 M1 M2 iPad用 Final Cut Pro(ファイナルカットプロ)とLogic Pro
2023年5月9日、Appleから待望のニュースが発表されました!
『Apple、iPadのためのFinal Cut ProとLogic Proを発表』
このニュースを待ち望んでいたのは、きっとボクだけではないはず。
以前から噂にはなっていましたが、正直このタイミングで出てくるとは思いませんでした。
噂では2024年でしたからね。
まだまだと思っていたので、良い意味で予想を裏切ってくれました。
特に、M1やM2のiPad、iPad Proをお持ちの映像・音楽系のクリエイター、アーティストにとっては朗報ですよね。
今回発表されたのは、動画編集用のFinal Cut Pro(ファイナルカットプロ)と、音楽制作用の人気アプリであるLogic Pro(ロジックプロ)の2つのアプリケーションです。
Mac版に関して言えば、既に長い歴史もあり、たくさんの人々から支持されてきました。
単純に、自宅やオフィスでしか使用できなかったこの2つのアプリが、iPadを使うことで、場所を選ばず、思った時、作業したい時に、制作に入れるというのは、ユーザーにとってとてつもないメリットになると思います。
そして、タッチ操作やApple Pencil2を一緒に使うことで、iPadでのみ可能な新しい方法で、創造性を発揮できるようになるとのこと。
もう期待しかありませんよね。
「iPadのためのFinal Cut ProとLogic Proを発表できることを嬉しく思っています。これにより、クリエイターは新しい方法で、そしてさらに多くの場所で、創造性を発揮できるようになります。iPadの持ち運びやすさ、パフォーマンス、タッチを前提としたインターフェイスに合わせて設計された直感的でパワフルなツールのセットにより、Final Cut ProとLogic Proは究極のモバイルスタジオを提供します」
Appleのワールドワイドプロダクトマーケティング担当バイスプレジデントであるボブ・ボーチャーズ氏のコメントより
M1搭載のiPad Proが発表されたのは2021年の4月。
その後、翌年2022年の3月にはM1搭載のiPad Airも発表。
また同年10月には、M2搭載のiPad Proの11インチと12.6インチが発表されました。
しかし、当時はMacBookやMacに匹敵する驚異的なスペックを持ちながら、それをフルに活かしきれるApple純正のアプリはありませんでした。
今回発表された2つの人気アプリの登場を、世界中のクリエイター、アーティストたちも、今か今かと待ちわびていたはずです。
今この記事を書きながらも、興奮冷めやらずなのですが(笑)、ちょっと一旦落ち着いて、肝心なプレスリリースの内容を、皆さんと一緒に確認していきたいと思います。
で、ひとつ申し訳ないのですが、Logicに関しては全くと言って良いほど知識がございませんので、これ以降はFinal Cut Pro(ファイナルカットプロ)の情報のみ、お話しを続けさせていただきます。
※Logic Proに関しての情報はAppleのプレリリースをご覧ください。
カメラマンであるボクが感じるiPadの素晴らしさに関しては、以前の記事をご覧いただければと思いますが、iPadの一番の特徴、他のAppleデバイスと違うところと言えば、それはもう直感的に操作ができるタッチ操作になるかと思います。
タッチ操作に関して言えば、確かにiPhoneでも同じことは出来ますが、M2チップ搭載、鮮やかで大きな画面、Apple Pencil2が使えるデバイスとなると、それはM1・M2チップ搭載のiPad ProとiPadAirしかありません。
それが故に、早くそれらメリットを100%遺憾なく発揮できるアプリの登場をずっと願っていました。
それでは、今回発表された内容について順にチェックしていきましょう。
発売予定日は2023年5月23日(火)。
あと2週間弱ですね。
iPadのためのFinal Cut Pro(ファイナルカットプロ)
iPadのためのFinal Cut Proは、まったく新しいタッチインターフェイスと直感的なツールを導入し、映像クリエイターに新しいワークフローを解き放ちます。新しいジョグホイールにより編集プロセスがこれまで以上に簡単になり、ユーザーはコンテンツをまったく新しい方法で操作できるようになります。ユーザーは指先でタップするだけで、マグネティックタイムラインを移動したり、クリップを動かしたり、フレーム単位で正確な編集をすばやく行うことができます。さらに、直感的で即時に操作できるMulti-Touchジェスチャーが、ユーザーの創造性を新たな高みへと押し上げます。
https://www.apple.com/jp/newsroom/2023/05/apple-brings-final-cut-pro-and-logic-pro-to-ipad/ 引用
今回は、単にMac版のFinal Cut Pro(ファイナルカットプロ)をiPadでも使えるようにしたといったものではなく、iPad用にと新たに1から開発されたようです。
これってすごく重要で、デスクトップ版を無理めに押し込んで形にすると、動作が不安定になったり、操作性が悪かったりで、ろくに使えないなんてことはよくある話です。
先日発表された某有名動画編集アプリのiPad版なんて、まさにそれで、チューニングが甘々でした。
不完全な形でリリースして、ユーザーからバグ収集して完成させるというやり方は、以前からもよくあるやり方ですが、でもそういうことを続けていくと、結局はメーカーのブランド力とか信頼を下げる一方なのになと感じるんです。
だからそういうところは、お金を取るならば尚更のこと、しっかりとした形でリリースしてほしいなと思います。
で、Final Cut Pro(ファイナルカットプロ)に話を戻しますが、先に公開されていたPVを観てみました。
プレスリリースを見た時、一番最初に新しいジョグホイールというキーワードが目にとまり、PVを確認しました。
すると、PVの中の人が操作するiPadの画面右隅に、ゲームにあるようなジョグダイヤルが映っていました。
それをタッチ操作でグリグリすることで、各数値をコントロールできるようになっているようです。
確かにペンやタッチでスライドさせるよりは、グリグリさせる方が直感的で早いかもですね。
ライブ描画を使うと、Apple Pencilで映像コンテンツの上に直接描画したり文字を書いたりすることができます。M2搭載のiPad Proでは、Apple Pencilによるポイント機能で、画面にまったく触れることなく、映像素材をすばやくスキミングしてプレビューできるようになります1。また、Magic KeyboardやSmart Keyboard Folioを追加してキーコマンドを活用することで、ワークフローを高速化することもできます2。クリエイターは、12.9インチiPad Proに搭載されたLiquid Retina XDRディスプレイを利用することで、美しいHDRビデオを表示して編集したり、リファレンスモードを使って正確にカラーグレーディングを行うことができます。
https://www.apple.com/jp/newsroom/2023/05/apple-brings-final-cut-pro-and-logic-pro-to-ipad/ 引用
個人的にはこの機能が……
熱盛!!
ライブドローイング機能。
Apple Pencil2って、イラストなどを描く人以外に本当に必要なモノなのかな?
それも20,000円もするペンが必要かなと感じていたんです。
しかし、プレスリリースを見るとApple Pencil2で映像コンテンツに直接描き加えられるというではありませんか!
これってやばいです。
手書き風だったりのテキスト挿入は、専用のプラグインを入れるか、地道に他のアプリを使って作っていくかの2択だったので、結構面倒だなと常々感じていました。
けど、これが出来ればプラグインも必要ないですし、ビジュアル的な要素だけではなく、プレゼン資料用の映像だったり、試作品の映像に対して、指示書的に書き加える感じにも使えそうで、きっとめっちゃ便利だと思います。
iPad版のFinal Cut Pro(ファイナルカットプロ)を使うならば、これはもう素直に買うべきなんでしょうね笑
プロ向けのカメラモードとマルチカムビデオ編集
プロ向けのカメラモードにより、iPadでの制作プロセスをより一層コントロールできるようになります。映像クリエイターは縦向きまたは横向きで高品質のビデオを撮影したり、オーディオや使用可能な録画時間をモニタリングしたり、焦点、露出、ホワイトバランスなどの設定をマニュアルでコントロールできます。クリエイターは撮影、編集、公開を現場で1つのデバイスから行うことができ、M2搭載のiPad Proでは、ユーザーはProResで録画することもできます3。マルチカムビデオ編集により、クリップが自動的に同期され、まとめて編集されるので、ユーザーは指先だけでマルチカムクリップのアングルを切り替えることもできます。
https://www.apple.com/jp/newsroom/2023/05/apple-brings-final-cut-pro-and-logic-pro-to-ipad/ 引用
この文章を見た限りでは、iPad Proのみで、最初から最後まで、かっこよく仕上げれちゃうよ。細かな設定もいろいろ出来るしね!的な内容になっています。
ボクもM2のiPad Pro 12.9を買って初めて気付いたのですが、カメラ性能がそこそこ凄いんですよ。
ProResでも撮れちゃいますしね。
ProResとは↓
Apple ProRes コーデックは、リアルタイムでマルチストリーム編集が可能なパフォーマンスの高さ、抜群の画像品質、保存時のサイズの小ささ、すべて併せて実現してくれます。マルチコア処理を最大限に活用したコーデックで、高速な解像度デコードモードが特徴です。
apple.com/jpより引用
簡単に言うと、とっても綺麗でかつデータ容量も抑えられ、編集だって出来てしまうプロ用途なフォーマットです。
ただ、要領はそれなりに消費しますので、撮影編集とかを考慮すると、最低でもストレージは256GBは欲しいところです。
ボクは映像を撮るならばSONYのa7s3にATOMOS NINJA Vを載っけて撮影することが多いので、もしもFinal Cut Pro(ファイナルカットプロ)を購入するなら、iPad Proでもぜひ撮ってみたいですね。
どれぐらい綺麗に撮れるのか。
それはちょっと楽しみです。
それと、おぉーと思ったのは、カメラ4台まで対応のマルチカム機能です。
マルチカム機能とは、複数台のカメラで撮った映像を、音声で同期させて編集時に画面切り替えを行える機能です。
例えばお料理動画とかで、手元映像、作ってる人の真剣な表情、上から見た映像とかが切り替わって編集されているってありますよね。ああいった編集をするための機能です。
かなりマシンスペックを要するので、こういった部分もM1やM2のiPadだけに動作環境を絞った理由なのかもしれませんね。
機械学習を活用したFast Cut機能
iPadのためのFinal Cut ProはAppleシリコンのパワーと機械学習を活用し、時間のかかる編集タスクを高速化します。シーン除去マスクにより、クリエイターはグリーンスクリーンを使わずにすばやくクリップの被写体の後ろにある背景を除去したり置き換えたりすることができます。自動クロップでは、映像を縦長、正方形、またはその他のアスペクト比に調整でき、「声を分離」では現場で録音したオーディオから背景ノイズを簡単に除去できます。
https://www.apple.com/jp/newsroom/2023/05/apple-brings-final-cut-pro-and-logic-pro-to-ipad/ 引用
iPhoneのiOSに搭載されたのは、写真画像を切り抜くやつでしたが、iPadは動画で切り抜きできてしまう!
グリーンバック不要って、AIなんですよね。きっと。
本当にすごい時代だなー
グリーンバック不要で人物を切り抜けるということは、おもしろ動画みたいのも簡単に出来ちゃうわけで。
プロクリエイターは勿論のこと、YouTubeとかTikTokで動画を出してる人にも最適かもしれません。
だってiPadには凄いカメラもついているんですから。
動画編集や動画撮影、その全てがひとつのデバイスで完結でき、より高クオリティで簡単に誰でも楽しめる。
動画制作にとっても、ある意味、新しい時代の幕開けなのかもしれませんね。
プロ向けのグラフィックス、エフェクト、オーディオ
映像クリエイターは、プロ向けのグラフィックス、エフェクト、オーディオの豊富なライブラリから選んで、自分のストーリーをより魅力的に伝えることができます。これには、美しいHDRの背景、カスタマイズできるアニメーション表示パターン、ビデオの長さに自動的に調整されるプロ向けのサウンドトラックなどが含まれます。
https://www.apple.com/jp/newsroom/2023/05/apple-brings-final-cut-pro-and-logic-pro-to-ipad/ 引用
ここまで書きながら思いましたが、Appleは万全を期しての発表なんだろうなと感じました。
各種エフェクトやアニメーション、グラフィックス、オーディオ等、全くもって隙がない。
特殊な機能もオプション扱いのプラグインにせずに、もうこれでどうだ!!みたいに出してきたところに、Appleの自信とやる気が現れていて、そこにボクは痺れました。
あとは、本当にもたつかずに動けば(正直、これだけ山盛りに機能を詰め込んで動くなんて、普通に信じられないんです)、他の動画アプリは逆立ちしても敵いませんよ。
それぐらいの完成度だと思います。
す、す、凄すぎるぜ!!ドドドドドド
読み込みと書き出し
エディターは、サポートされているメディアをファイルまたは写真アプリケーションから読み込み、Final Cut Proプロジェクト内に直接保存できます。iPadのためのFinal Cut Proは、iOSのためのiMovieで作成したプロジェクトの読み込みにも対応しており4、iPadユーザーはFinal Cut ProプロジェクトをMacに書き出すことができます5。
https://www.apple.com/jp/newsroom/2023/05/apple-brings-final-cut-pro-and-logic-pro-to-ipad/ 引用
最後は読み込みと書き出しについてです。
資料を見る限りは、連携も完璧ですね。
これでAppleデバイスのそれぞれの特徴をフルに活かせます。
外でも家同様の作業が出来る。
それもパッと出して直ぐに作業ができるんです。
これこそがiPadの存在意義です。本当に。
あとは、実際にヌルヌルに動いてくれることを祈りましょう笑
Final Cut Pro(ファイナルカットプロ)に期待すること
特に言及されていなかったので、実際に試してみるしかないのですが、iPadのストレージが少ない人にとっては、Final Cut Proを十分活かしきれない不安もあります。
出来ることが多いということは、それに比例してデータ容量も大きく膨れ上がるということ。
iPad Proの外部ストレージ、それもせっかくのThunderbolt3端子なのですから、映像素材を保管してある外部SSDと接続しながら、編集作業できたら最高だなと、個人的には考えてます。
実際、動画編集アプリのRumaFusionでは、それが出来るので、天下のAppleでそれが出来ないというのは無いと思うんですけどね。
どうかその機能がありますように。
まとめ 動画やるならiPadとFinal Cut Pro(ファイナルカットプロ)を買うべし
いかがだったでしょうか。
iPad Pro、それもM1またはM2機をお持ちの方には、心躍る本命アプリの登場です。
そして、これから動画やりたいとか、動画編集覚えたいなんて人も、iPad ProとFinal Cut Proが良いのではと思います。
マジで言いたいのは、どこでも映像撮れる、どこでも編集できる、おまけにブログだって書けちゃうぞ。
こんなのは、iPad Proしか無いのです。
ボクは心からお勧めしたいです。
動画やるならiPad ProとFinal Cut Pro(ファイナルカットプロ)を買うべし!!!
最後までご覧いただき、ありがとうございました。